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[レビュー] Nika Oblak & Primoz Novak《Sisyphus Actions》

April 3rd, 2013 Published in レビュー&コラム

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以前、本サイトのレビュー&コラムで紹介した2人のスロベニア人アーティスト、ニカ・オブラク & プリモージュ・ノヴァク(Nika Oblak & Primoz Novak)が先日来日し、日本で初の個展を開催した。その際に展示された作品を紹介しよう。

今回展示された作品のタイトル《Sisyphus Actions》は、ギリシャ神話に登場するシシュフォスにちなんでつけられたもの。シシュフォスは狡猾(こうかつ)なコリントスの王で、ゼウスの怒りにふれ、死後は地獄に落とされて大石を山頂まで押し上げる罰を受けた。大石はあと一息のところで必ず転げ落ちたという。このシシュフォスの行為をモチーフとして、彼らは空気圧で動くビデオインスタレーションを4点制作した。

sisyphus actions

今回展示された作品はそれらのうちの1つ。モニタ内の人物が自転車の空気入れでバルーンを膨らまし続け、モニタのサイズからはみ出るまでバルーンを膨らますと、ゴムで覆われた箱形のモニタが膨らみ、現実にあたかもバルーンが膨らんでいるかのような効果を見せる。そしてある大きさまで膨らむとバルーンは破裂する。するとモニタ内の人物は、また別のバルーンに空気を吹き込んで膨らます。こうしてモニタ内の人物は永遠にバルーンを膨らましては、モニタの外まで膨らませて破裂させるという行為を繰り返す。

YouTube Preview Image

 

一見するとバカバカしい行為が繰り返される作品だが、この作品には、毎日を単調に繰り返すだけの生活に対して批判的な眼差しが投げかけられており、こうしたシニカルな視点は彼らの作品の大きな特徴となっている。

 

Nika Oblak & Primoz Novak(ニカ・オブラク & プリモージュ・ノヴァク)

2003年から共同で制作を続けているアーティスト・ユニット。現代のメディアと資本主義の社会が有する視覚的・言語的な構造を分析し、批判的検証を行うが、その際、表現にユーモアを吹き込み、商業世界とアート界の類似性を描き出している。 常に現実とフィクションの境界領域をテーマとして扱い、一般消費者を誘惑するマスメディアが用いるビジュアル戦略と構造を作品に取り入れている。また、二人は主人公として作品の中に頻繁に登場し、さまざまな役割を演じる。制作ジャンルはビデオ、写真、新しいメディアとインスタレーションなど様々である。イスタンブール・ビエンナーレ、トランスメディアーレ、シャルジャ・ビエンナーレなど世界各地で作品を展示。www.oblak-novak.org

展覧会:And Now for Something Completely Different 2
会 期:2013年2月15日〜3月8日
会 場:Art and Life Contemporary
会場HP:www.artandlife.jp
※本展覧会はスロベニア共和国文化省の助成を得ています。