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[WORKS]パンタグラフ《Landing Gears》/鈴木太朗《スーツ毛—ス》/plaplax《Take me.》

February 7th, 2013 Published in こんな作品つくりました

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パンタグラフ《Landing Gears》

「MEDIA SUITCASE EXHIBITION ―スーツケースの中のメディアアート展」が成田国際空港において2月末まで開催されている。今回の「こんな作品つくりました」は、趣向を変えて、このオープンスペースで開催されている展覧会の狙いと3つの出展作品について紹介します。

メディアスーツケース展の企画・構成を担当した CG-ARTS協会は1995年から学生CGコンテスト、1997年からは文化庁メディア芸術祭を手がけるなど、CGやメディアアート、アニメーション、マンガ、ゲームなど、新しいメディアやテクノロジーによって新しく登場してきた文化や才能を社会につなげていく活動に一貫して取り組んでいる。

美術館やギャラリーであつかわれてこなかったような新しい分野の作品を展示することは、施設側に理解を得るところから始めなければいけないが、観覧者についても同様で、今まで美術館やギャラリーに慣れ親しんでいない人達に足を運んでもらうようにしていく仕掛けを講じなければいけない。

しかし、美術館サイドに新しいものを受け入れてもらえ、美術館に行かない人に美術館に来ていただくことが成功しても、美術館の枠だけで作品を紹介することには限界がある。CG-ARTS協会では新しい文化や才能を社会につなげることを広げていくために、美術館以外のところでの作品紹介の可能性を探求してきたが、昨年は公共施設や商業店舗のデジタルサイネージで、学生CGコンテストの作品上映を行ったが、メディアスーツケース展は、オープンスペースを使った作品展示の初めての試みである。

通常の展覧会のように展示作品を見ることを目的にしている人を対象にするのではなく、国籍も性別も世代もさまざまな人々に対して、ほんの少し足を止めてもらい、作品を見せ、何かを持ち帰ってもらう。この難しいテーマに取り組んだのは、鈴木太朗、パンタグラフ、plaplax の3組のアーティストである。

パンタグラフ《Landing Gears》

パンタグラフは、自ら制作した立体造形物を素材にした写真やアニメーションで多数の作品を発表しているクリエイティブ・ユニット。広告、雑誌表紙、CDジャケットのイメージビジュアルからアニメーションムービー、アートイベントの企画制作まで幅広い分野で活動している。

今回発表した《Landing Gears》は、立体と映像による作品。タイヤ付きのスーツケース3点が飛行機の車輪のように三角形に配置。背後にあるスクリーンには下河智和によるCG映像が映し出されている。飛行機に搭乗する乗客のほぼ全員が自分の分身のようにスーツケースを持参し、同じ飛行機に乗り込み上空へと旅立つ。この作品はスーツケースが飛行機のカーゴスペースで見ている夢を再現している。

鈴木太朗《スーツ毛—ス》

鈴木太朗は、自然界の物理現象を観察、その魅力の綿密な考察と理解から、根源的な美しさをもつ作品を生み出すメディアアーティスト。昨年、フランス・シャルルドゴール国際空港に《WATER CANVAS》が常設されている。

今回展示している《スーツ毛—ス》は、無機質なスーツケースが生き物のように振る舞う作品。人が近くに居ない時は二枚貝のように口を開き、開いた口からイソギンチャクのように繊維が吹き出す。人が近づくと無機質な元のスーツケースに戻ります。

plaplax《Take me.》4作品のうちの一つ、歩くスーツケース

plaplax (近森基+久納鏡子+筧康明+小原藍)は、主にインタラクティブアート作品を手がける一方、公共空間、商業スペースやイベント等での空間演出や展示造形、映像コンテンツ制作、インタラクティブシステム開発、プロダクトデザイン、研究開発など幅広く活動している。

今回の《Take me.》は、世界中を旅した4つのスーツケース。海辺に出かけたスーツケースは、ビーチを思い出して昼寝をし、極寒の地に出かけたスーツケースは、今も寒さでふるえている。都会の人々のめまぐるしさの中で過ごしたスーツケースは、足取りもスピーディー。 ここにいるスーツケース達は、普段より少しふるまいが強調され、さまざまな旅の経験を伝えてくれる。

メディアスーツケース展は初めての開催であるが、作品のジャンルや内容も限定せずに柔軟に対応させてシリーズ化させていくことや、国内外の空港を巡回展として回っていくことなどを構想している。

阿部芳久(CG-ARTS協会)

MEDIA SUITCASE EXHIBITION
―スーツケースの中のメディアアート展

会期=2013年2月1日(金)- 2月28日(木)
会場=成田国際空港 第1旅客ターミナルビル南ウィング4階
出発ロビーGゾーン付近ウェイティングエリア
観覧料=無料
主催=成田国際空港株式会社
企画・構成=CG-ARTS協会
TEL=0476-34-5721(成田国際空港オアシスプロジェクト)
http://www.narita-airport.jp/

★お問合せ
CG-ARTS協会 文化事業部
https://member.cgarts.or.jp/cgarts/ais/user/Answer?qid=2927389/