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[レビュー] 国際レジデンシープログラム紹介

August 15th, 2011 Published in レビュー&コラム

8月6日から始まった、横浜トリエンナーレ。11月6日までの会期中には、様々な関連イベント開催されます。その一環として、観客参加型の『サトブモブ:これが最後であるかのように』が開催されました。参加者は、指定されたウェブサイトからMP3のサウンドトラックを事前に各自の端末にダウンロードし、そのサウンドを聞きながら町を彷徨いながら、参加者と同じ時間を共有していきます。これは、英国のアーティストユニットのサーカムスタンスのプロジェクトです。

©Duncan Speakman

横浜での開催にあわせて、サーカムスタンスの一員であるダンカン・スピークマンが来日し、彼が今年2月から5月まで参加した、ヨーロッパにおける国際共同レジデンシープログラム” A Cross European Residency Programme”について紹介する意見交換会が、8月8日にブリティッシュ・カウンシルで行われました。

A Cross European Residency Programmeは、4箇所の欧州のアートの拠点が共同で展開したプログラムで、応募の対象となったのは、携帯可能なデバイスを用いて市民参加型のプロジェクトをオープンソースの技術やソフトウェアを使用して展開し、そのプロジェクト進捗をブログなどで公開して幅広く共有することが出来るアーティスト。
ダンカンは、カナダ人アーティストのエミリー・グルニエとのコラボレーションとしてこのレジデンシープログラムのアーティストに選ばれ、4ヶ月間かけて3つのスタジオで順番にレジデンスを行い、モバイルテクノロジーを駆使した公共スペースでの観客参加型作品”We are Forests”を制作しました。

A Cross European Residency Programme の参加団体は下記の通りです。

3か所の組織の考え方や、設備が大きく異なっていたことに困惑しながらも、ダンカンもそのプロセスを通じて一ヵ所でのレジデンスだけでは、経験出来ない各地域のプログラマーとのコラボレーションや、市民との対話を通じてプロジェクトが練り上げられてゆく様子を伝えてくれました。
プレゼンテーションの後に続いた意見交換では、参加者の疑問に対する回答が、さらに具体的な生の情報と提供され有効な情報交換の場となっていました。

一ヵ所のレジデンスでの独立した成果ではなく、連携したレジデンスでの成果を共有するというA Cross European Residency Programmeは、今後、活動が活発化されることが期待される国内のレジデンス施設の可能性を広げられる参考例ではないでしょうか。

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アーティスト・イン・レジデンスのこれから
‐ヨーロッパにおける国際共同レジデンシープログラムの事例を通して‐

開催日時: 2011年8月8日(月) 15:00 – 17:00
開催会場: ブリティッシュ・カウンシル 東京センター(新宿区神楽坂1-2)
主催: ブリティッシュ・カウンシル
プレゼンター:ダンカン・スピークマン

ダンカン・スピークマン
個人的・社会的環境における人々の音との関わりを主なテーマとして探求している英国出身のアーティスト。自身の作品の中にも音を効果的に取り入れ、公共スペースで人々が身体的に感情的に関わりあえるような環境や体験を生み出している。2011年にサラ・アンダーソン、エミリー・グルニエとともに、アーティストユニット「サーカムスタンス」を立ち上げ、都市を舞台に観客参加型のユニークなプロジェクトを発表している。
公式サイト:http://duncanspeakman.net/