[レビュー] アルスエレクトロニカ・レポート 8 まとめ
October 11th, 2011 Published in レビュー&コラム | 4 Comments
これまで7回にわたって今年のアルスエレクトロニカを詳しく紹介してきたレポートは、今回が完結編となります。
「origin-how it all begins」をテーマに、8月31日〜9月6日までオーストリアのリンツで開催されたアルスエレクトロニカ・フェスティバル。アルスエレクトロニカ・センター、OKセンター、ブルックナーハウス、リンツ工科大学など計10カ所を会場に、展覧会、セレモニー、コンサート、シンポジウム、フォーラム、ワークショップなどの様々なイベントが開催されました。プリ・アルスエレクトロニカへの作品応募総数は3,611点となり、期間中のフェスティバル来場者数は史上第2位の83,976人に上りました。
また、今年はスイス・ジュネーブにあるCERNという世界最大規模の素粒子物理学研究機関との長期にわたるコラボレーションが決定するなど、更なる新しい試みも行なわれ、アート、サイエンス、テクノロジーと社会の関わりについて、新たな未来を志向するアルスエレクトロニカの特徴が際立った年だったと言えるでしょう。
そして今年は日本からの4作品がAward of DistinctionとHonorary Mentionを受賞し、作品がセンターでの年間展示になった他、キャンパス展などの開催もあり、多くの日本人アーティストの活躍が目立っていました。
またプリ・アルスエレクトロニカに新たに設立された賞Collide@CERNへの作品応募が今月末までと迫っており、12月には来年のプリ・アルスエレクトロニカへの作品応募が開始されます。そして、12月10日〜18日まで「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2011 in Osaka」が大阪のブリーゼブリーゼで予定されていますので、アルスエレクトロニカで受賞した作品や活動にご興味がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
アルスエレクトロニカ・フェスティバル概要
開催期間:2011年8月31日〜9月6日
開催会場:アルスエレクトロニカ・センター、OKセンター、ブルックナーハウス、
リンツ工科大学、マリエンドーム(大聖堂)ほか計10カ所。
応募総数:3,611点
来場者数:83,976人
公式HP:http://www.aec.at/
本年度のプリ・アルスエレクトロニカ日本人受賞者・作品
Interactive Art部門 Award of Distinction(優秀賞)
- 《particles》石橋素、真鍋大度
Interactive Art部門 Honorary Mention(佳作賞)
- 《empathetic heartbeat》安藤英由樹、佐藤雅彦、渡邊淳司
- 《SOUR/MIRROR》川村真司、大野大樹、小山智彦、清水幹太
- 《Android Theater》平田オリザ、石黒浩
アルスエレクトロニカ略年表
1979年 アルスエレクトロニカ・フェスティバル開始。86年までは2年に一回開催。
1986年 この年からアルスエレクトロニカ・フェスティバルが毎年開催。
1987年 プリ・アルスエレクトロニカ設立。この年から毎年フェスティバルにテーマを掲げる。
河口洋一郎など、Computer Animation部門2名、Computer Graphics部門1名の
日本人アーティストがHonorary Mentionを受賞。
1996年 アルスエレクトロニカ・センター、アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ設立
2001年 キャンパス展開始
2009年 アルスエレクトロニカが30周年を迎え、センターがリニューアル・オープン
2010年 プリ・アルスエレクトロニカが設立された1987年からの応募総数が45,000点を超える。
《アルスエレクトロニカ・レポート バックナンバー》
1.今年のテーマ「origin-how it all begins」
2.オープニング(8月31日)とアルスエレクトロニカ・センター
5.サイバーアーツ展
6. ふたつのキャンパス展
DEPARTUREでは引き続き世界の新しいクリエイティビティにフォーカスし、作品やフェスティバルなどの情報を紹介するとともに、今後活躍が期待される若手アーティストやクリエイターを応援し続けていきたいと思います。