札幌国際芸術祭2014 – vol.4 札幌市資料館
July 22nd, 2014 Published in 世界のフェスティバル
vol.3でご紹介した北海道庁赤れんが庁舎から7ブロックほど西に進んだ大通り公園内にあるのが札幌市資料館だ。大正15年(1926)に札幌控訴院として建てられた建物で、札幌軟石を使った建物としては全国的にも貴重なものであり、平成9年(1997)5月には国の登録有形文化財に選定されている。グリッド状に整備された札幌市の中心部を、赤れんが庁舎から7ブロックほど歩くのは楽ではないが、大通り公園まで出て緑が生い茂る木蔭を散策しながら歩くのもよいだろう。この資料館では、芸術祭の情報拠点として利用したり、様々なプロジェクトに参加し体験することができる。
関連企画 SIAF2014 アクティビティ拠点プロジェクト
芸術祭期間中の市民交流、情報発信、アクティビティの拠点として活用し、他の会場(北海道近代美術館、札幌芸術の森美術館、地下歩行空間など)を巡るきっかけや、子どもからお年寄りまで芸術祭をより親しみ易いものとして理解される機会を生み出すことを目的として、次のような機能が設けられている。
– インフォメーションセンター
– SIAFカフェ
– サロン
– SIAF編集局
– ボランティアセンター
– 連携事業ワークショップルーム
– プレスルーム
参加型プロジェクト「アート×ライフ」
– 深澤孝史『とくいの銀行札幌支店since1869』/『札幌市開開拓資料館』
とくいの銀行札幌支店は、頭取が「ななつぼし商店街支店」が閉店し、家へ帰ろうとしたら、ひょんなことから1869年の札幌にタイムスリップしてしまい開店した銀行。 現代の「とくい」と札幌に眠る様々な歴史が交差するさまざまなイベントを開きながら、「札幌市開開拓資料館」の資料を充実させていく。会期中イベントが企画される毎に展示資料が更新されていくのが特徴だ。
– サッポロ・エホン・カイギ
その1「絵本をあずける」、その2「絵本のオマケ1ページをつくる」という2つの内容を軸に、誰でも参加できる会議(=ワークショップ)を開催。開催日時や詳しい内容は公式サイトを参照。
「札幌市資料館 リノベーションアイデアコンペティション」
このコンペティションは、SIAF2014ゲストディレクター坂本龍一から提案を受けて、歴史的建造物である札幌市資料館を、市民が創造性を発揮できる拠点としてリノベーションするために、今後の活用方法についてアイデアを年齢、プロ、アマチュアを問わず、幅広く国内外から公募したもの。応募された131点の中から、一次審査で選出されたアイデア38点が展示されている。今回展示された作品は作品のうち最も優秀なアイデアは札幌市長に提言される。受賞発表は芸術祭最終日に行なわれる。
「コロガル公園 in ネイチャー」supported by 札幌丸井三越
2012年に山口情報芸術センター[YCAM]で発表された「コロガル公園」は、不定型で起伏のある木の空間に、マイクやLED照明など「メディア」を使った仕掛けをもつことで、子どもたちが新しい動きや遊びのルールを生み出すことを触発するインスタレーション。この「コロガル公園」が、初の屋外バージョンとして、札幌市資料館の庭に出現した。設計は、北海道を拠点に国内外で活躍する建築家・五十嵐淳。都心にありながら緑豊かな環境と呼応させるべく、自然素材を活用した「公園」が構想されている。
会期中には、ワークショップ「子どもあそびばミーティング」を複数回開催予定。追加したい遊びや機能を話し合うことで、期間中にアイデアがコロガル公園に反映されていく予定だ。日程や詳細については公式サイトを参照。
札幌市資料館
住所:札幌市中央区大通西13丁目
開館時間:9:00〜19:00
休館日:会期中無休(ただし、各プログラムごとに休業日は異なる)
URL:http://www.s-shiryokan.jp
次回は、さらに3ブロックほど北西に進んだ先にある北海道立近代美術館の展示と、島袋道浩によるもう1つの作品を紹介する。
札幌国際芸術祭2014 紹介レポート一覧
vol.1 本日より開幕!開催テーマは「都市と自然」
vol.2 札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)
vol.3 北三条広場〜北海道庁赤れんが庁舎
vol.4 札幌市資料館
vol.5 島袋道浩作品その2〜北海道立近代美術館
vol.6 札幌芸術の森美術館
vol.7 清華亭(毛利悠子『サーカスの地中』)
vol.8 モエレ沼公園
vol.9 札幌大通地下ギャラリー500m美術館
vol.10 イベント紹介