札幌国際芸術祭2014 – vol.8 モエレ沼公園
July 24th, 2014 Published in 世界のフェスティバル
札幌市の中心部から約20キロ北東に位置するモエレ沼公園。270万tの廃棄物を埋め立てた後に造成された約1.89k㎡の都市公園で、1982(昭和57)年に着工され、2005(平成17)年7月に完成した。基本設計はイサム・ノグチ。「地球を彫刻した男」と呼ばれるように、公園全体が彼の彫刻作品だ。この公園内に屹立するガラスのピラミッド「HIDAMARI」内で、芸術祭のメインをなす作品が2つ展示されている。
坂本 龍一 +真鍋大度『センシング・ストリームズ―不可視、不可聴』
坂本 龍一 + YCAM InterLab『フォレスト・シンフォニー in モエレ沼』
supported by LOUIS VUITTON
これらの作品についてご紹介しよう。
この作品は、国内外の樹木にセンサーを設置し、それらの生体電位をデータとして取得・集積・解析し、音楽へと変換する作品。異なる自然環境にある各地の樹木データを音楽として聴くことができるとともに、それらが空間全体で1つのシンフォニーとして浮上するインスタレーション。
『フォレスト・シンフォニー』は、坂本龍一が山口情報芸術センター[YCAM]所属の研究開発チームであるYCAM InterLabとのコラボレーションにより制作し、ビジュアル・ディレクションに高谷 史郎が加わって、2013年に発表された。
今回展示されている『フォレスト・シンフォニー in モエレ沼』では、会場のモエレ沼公園をはじめ、札幌市内や北海道内、および国内外の11カ所・12本の樹木から取得したデータ(樹木の生体電位、照度・温度・湿度・気圧などの環境データ)を音楽と映像へと変換し体験することができる。
センサーの設置場所
1.山口情報芸術センター[YCAM] 中央公園
2.モエレ沼公園
3.札幌市資料館
4.北海道大学札幌研究林
5.北海道大学雨龍研究林
6.下川町立下川小学校
7.東京藝術大学
8.ルイ・ヴィトンの森 by more trees
9.ウェスタン・オーストラリア大学
10. 王立リッチモンド公園
11. 王立リッチモンド公園
12. HJアンドリュース研究林
モエレ沼公園 ガラスのピラミッド「HIDAMARI」での展示
日 程:2014年7月19日(土)~9月28日(日)
時 間:9:30-17:00(土曜日のみ9:30-19:00)
協 力:山口情報芸術センター[YCAM]
共 催:公益財団法人札幌市公園緑化協会
担 当:四方幸子(アソシエイト・キュレーター)/細川麻沙美(プロジェクト・マネージャー)/小町谷 圭(大谷大学講師)
※モエレ沼公園へは無料シャトルバス「モエレ・さとらんど観光シャトルバス」が運行しているので、こちらを利用するのが便利だ(運行状況や詳細はこちら)。
次は札幌市の中心部に戻って500m美術館の企画展示を紹介しよう。
札幌国際芸術祭2014 紹介レポート一覧
vol.1 本日より開幕!開催テーマは「都市と自然」
vol.2 札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)
vol.3 北三条広場〜北海道庁赤れんが庁舎
vol.4 札幌市資料館
vol.5 島袋道浩作品その2〜北海道立近代美術館
vol.6 札幌芸術の森美術館
vol.7 清華亭(毛利悠子『サーカスの地中』)
vol.8 モエレ沼公園
vol.9 札幌大通地下ギャラリー500m美術館
vol.10 イベント紹介